相続の効力
令和1年7月1日改正民法施行前では、「相続させる旨の遺言」に基づいて承継された財産は、登記をしなくても、法定相続分を超える部分も第三者に対抗することができる、と判示されていました(最高裁平成14年6月10日第二小法廷判決)。
今回、新たに創設された民法899条の2により、「相続させる旨の遺言」についても、法定相続分を超える部分については、登記(対抗要件)をしなければ、第三者に対抗することができないと見直しがされています。
これは、改正施行前の制度では、遺言の内容を知ることができない相続債権者が不測の損害を被るおそれがあり、取引の安全が確保されないという問題から導かれた制度です。
新民法899条の2によれば、法定相続分については登記をしなくても第三者に対抗することができることになりますが、令和6年4月1日より、相続登記の義務化が開始されますので、法定相続分であっても登記が必要となりますことをご注意下さい。