離婚手続

ご離婚をきっかけに、ご夫婦の一方が、相手方に対して財産の分与を請求することができます(民法768条)。

これからご離婚を検討される方におかれましては、離婚手続について懸念されることが多いと思いますので、以下の点にご注意いただきたいと思います。

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協議離婚

税金面

財産分与によって受領した金銭等に対して贈与税や不動産取得税が、財産分与として資産を移転したときには譲渡所得税が課税されるのでないか、という質問が多数ございます。

贈与税及び不動産取得税においては原則非課税とされております。ただし、離婚により取得した財産や財産価額が、婚姻期間中の夫婦の協力によって得られた事情を考慮しても過分である場合には、贈与税が課される可能性があります。
譲渡所得税については原則課税されますが、居住用不動産を譲渡した場合には特別控除の特例の適用が考えられます。

財産分与に不動産を含む場合、所有権移転登記の登録免許税は固定資産評価額×2%です。
財産分与によって不動産を取得した方には毎年固定資産税が課税されます。

登記面

財産分与による所有権移転登記は、離婚届提出後に申請となります。

登記手続きに必要となる書類は以下のとおりです。

離婚の記載のある戸籍謄本も必要となります。

財産分与をする方(分与者)

①住民票(登記記録上の住所から転出している場合)

②登記済権利証あるいは登記識別情報通知

③印鑑証明書(発行後3カ月以内)

④ご実印

⑤固定資産評価証明書

⑥ご本人様確認書類(運転免許証等)

財産分与を受ける方(被分与者)

①住民票

②お認印

③ご本人様確認書類(運転免許証等)

年金分割

財産分与請求権は離婚時より2年以内の期間制限があります。

年金分割手続きにおいては離婚した日の翌日から2年以内に請求する必要があります。

当事者の一方で手続きをする際には、年金分割の割合を明らかにした公正証書が必要となります。公正証書で作成していない場合には、当事者双方が年金分割合意書(所定様式)を年金事務所へ提出する必要がございます。

調停離婚

協議離婚が調わない場合、離婚調停申立てを検討されると思います。

既に別居中で、主な収入源となっている相手方より生活費や子の教育費を受領できてない場合には、「離婚調停申立」に先立って、あるいは同時に「婚姻費用の分担請求調停申立」を準備します。婚姻費用は、原則として申立日から婚姻関係解消までの期間受領できる、将来にわたる恒常的生活費を賄う趣旨の費用となっています。離婚調停手続きは長期間に及ぶことが予想されますので、その間の生活費及び教育費を確保するためにも必要な手続きです。

離婚調停申立ての際、同時に年金分割を請求することとなりますが、調停が成立しても、自動的に年金分割がされるわけではなく、調停調書(抄本)及び離婚の記載ある戸籍謄本を持参して、年金事務所にて、標準報酬改定請求書にて分割手続きをする必要があります。

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